【WAR OF BRAINS】はじめましての挨拶と最終環境コントロールラピス
0.はじめに
みなさんはじめまして、あるいはこんにちはですの。自称バーチャルYoutuberであることすら最近失われてきた魚、浴洲ネプトですわ。
この度「動画以外の活動に精力的」「ただのTCGやってるネタツイッタラー」「サブウェイめっちゃ食う人」「30万を紙束にした女」などと各方面から評判のわたくしがなんとブログを開設いたしましたわ。いえー。おい30万は関係ねえだろ!
このブログですが、「Twitterに書けないような長文ネタ(主にデッキ解説)」「業務連絡」「なんか思いついたらなんか書く」などに使っていく予定ですわ。更新は気分次第なので不定期、最悪これやって放置ということも十分にありますが、どうか気長にお付き合いくださいませ。ということで手始めに。
1.このデッキを使うにあたって
今回はわたくしがすごく大好きなゲーム、WAR OF BRAINSで最終的に行き着いたデッキについて解説していきますですの。サ終するゲームに対して何を真剣に、と思うかもしれませんが、何かWoBが存在した形を遺しておきたかった乙女心と思ってくださいませ。いやん。
ということでいきなりですが、まずはデッキレシピから入りますの。こちらになりますわ。
かなりB2辺りのラピスの定石からは外れたデッキですが、以下でこのような形になった理由を解説いたしますわ。そこそこの長文ですがお付き合いくださいませ。
さて、今回使うデッキを考えるにあたり、絶対条件として使いたかったカードがありますわ。
こちら、ルリグ2枚ですの。
ウィクロスコラボで追加されたこれらのカードは非常にカードパワーが高く、《星命の巫女 タマ》は
- パワー基準も除去のパワーも低いWoBにおいてテンポよく出せれば非常に処理の難しい3/1/4のスタッツ
- 非常に取り回しのいい2パンと、それに付随した馬鹿みたいな圧縮・アドバンテージ力を持つサーチ能力
- 3まで行ければサーチ能力は暴力的なまでに強化され、イノセンスも戦場を支配するほどのパワーを持つ
と、ニュートラルながら間違いなく最強格の3メモリーユニット*1として運用できますの。
また、リリース当初からスーパーハイパワーカードとして評判の高かった《星命の巫女 タマ》と比べ初見時はやや小粒との意見もあった《アロス・ピルルク BRAIN》も
- パワーはメモリー帯相応とは言い難いが盤面画からの状況で投げれば1ハンデス込みでさほど気にならず、2以降はスタッツ的に処理に一工夫が必要となる
- ドローカードがそこまで強くない(正確には2ドローのため弱くても困らない)WoBにおいて2以降のドロー性能は目を見張るものがあり、コントロールデッキなら十分採用圏内
- ハンデスは当然のごとく強力無比であり、テンポよく出し続けることで相手の手札を完全に封殺したトップゲーに持ち込みやすくなる
- また、逆に言えばピルルクをレベル1で出した時点で相手は「ピルルク2を出しやすい盤面」を作れなくなり、不格好な展開を1枚少ない手札で行わなければならなくなる
- カタルシスは前評判通り使い出が悪いがそれでも盤面を一時的に無力化してリーサルレースを制するだけの力はあり、総じて勝っている盤面を「詰み」まで持っていくことに特化したユニット
と、こちらも非常に高いパワーを持つカードであり、B3環境は「この2枚をうまく使えたプレイヤーが勝つ」「逆にこの2枚をうまく処理できないデッキは負ける」と定義できるとわたくしは感じていましたわ。
しかし「2回攻撃が持つライフへのプレッシャー力と効果から1帯を大量に積むアグロ寄りミッドレンジデッキ」で真価を発揮する《星命の巫女 タマ》と「見るからにコントロール専用カード」の《アロス・ピルルク BRAIN》は両立が非常に難しく、どちらも手札を増やす効果を持っていることもあり、使用するならどちらかに絞るべきなのは明白でした。
次に考えるべきはどちらを使うかですが、コントロールとミッドレンジがぶつかった場合往々にしてコントロール有利になることと、ハンデスに対して未成熟なハースストーンクローンでハンデス対策を取るのが難しそうだったこともあり、とりあえず「《アロス・ピルルク BRAIN》を使用し、《星命の巫女 タマ》に負けない」デッキを握ることにしましたわ。
そのため第一に使用デッキとして白羽の矢を立てたのがこちら、
コントロールシェドですわ。
このデッキはマナブーストによる早いターンでの《アロス・ピルルク BRAIN》着地でブーストに使った手札を回収しつつ以後のプレッシャー力を高め、《星命の巫女 タマ》を使うことこそできないものの《強者の裁定》《希望の小枝 プルン》《イデアン・マルチウェイ》《イデアン・スポルフィング》の4種9枚でタマ対策も万全、と、まさにわたくしの求めていたデッキ……とはいきませんでしたわ。以下にその理由を記しますの。
1.1.《星命の巫女 タマ》対策の不足
確かに「《星命の巫女 タマ》を返せるカード」の枚数自体は非常に多いのですが返し方が問題であり、
- 《強者の裁定》《希望の小枝 プルン》で返した場合相手の場にユニットが残り、そこを起点に《追憶の聖戦士 シルヴィア》や《スペース・コンバッション》などのバフで盤面構築をされる危険性がある
- 《イデアン・マルチウェイ》は無力化に5メモリーが必要であり明らかに間に合わない
- 《イデアン・スポルフィング》は1タマにテンポで負けているため2タマ以上を呼びやすくなり、2タマ以上に届かないため非常にリスキー
と、対策できているとは言い難い状況でしたわ。追加で《炎神の息》や《響水神 セイレーン》を積めば解決する問題だったかもしれませんが、1枚のカードのためにそこまで不格好な構築を取らなければならない時点で「勝てる」デッキとは思えませんし、以下の問題から小手先でその部分をいじっても解決しないな、と感じていましたの。
1.2.構造上の欠陥
コントロールシェドはデッキ自体を重めに寄せ、2ターン目を《豪神の力》でパスして常に盤面で上を取り、序盤の僅かなテンポロスを《堕天妃の急襲》で一気に返してゲームを制圧する、というコンセプトのデッキですわ。このコンセプト自体が《星命の巫女 タマ》と非常に相性が悪かったのが問題でしたの。
まず、小型ユニットの処理を「《堕天妃の急襲》があるし大型ユニットで上を取れば勝てるから放置でいいや」でスルーしていたのが問題ですの。
構造上2ターン目にプレッシャーをかけることができないため相手に猶予を与えてしまい、空いた盤面に《堕天妃の急襲》まで待てない《星命の巫女 タマ》を投げやすくなっていたのが非常にゲームメイクをやりづらいものとしていました。
これまでも《堕天妃の急襲》までスルーできないユニットはかなりの数が存在していましたがそれらは大多数が4メモリー以降、あるいは中盤のAoEで処理できる程度のサイズであり、「ニュートラルで多様なデッキから飛んでくる、尻がでかくて処理必須の3メモリー」に対してコントロールシェドはかなり脆いということが判明しましたの。
このデッキで2ターン目に投げられるユニットはGCの《おてんば王女 レヴィ》、そして《希望の小枝 プルン》のみ。コンセプト上これ以上小型を増やすわけにもいかず、「タマ対策にタマ対策のカードを捨てる」という自己矛盾を常に孕んでいるのが大問題でしたわ。
また、頼みの綱である「大型ユニットで上を取る」ことも、2メモリーに《ラッキー》を重ねるならともかく3メモリーに4メモリーを重ねるとなると先攻で《豪神の力》を打たない限り機能しづらく、「先攻を取って」「1種3枚のカードを引く」ことが勝ち筋のデッキはわたくしの業界では「勝てないデッキ」と呼びますわ。
1.3.《アロス・ピルルク BRAIN》にも弱い
先程も言ったようにこのデッキは基本的に「待ち」のデッキであり、《アロス・ピルルク BRAIN》を投げる隙がかなり多いデッキとなっていますわ。
それだけなら(よくないけど)いいのですが、《慟哭のジル・クライハート》を投げ《運命の逆転》+SUMMON3でゲームを終わらせるというこのデッキ特有のキルパターンと《アロス・ピルルク BRAIN》の相性がとても悪いのが問題でしたわ。
《慟哭のジル・クライハート》は存在そのものが隙であり、本体も《運命の逆転》も出すタイミングを見計らって貯め込むカードである以上ハンデスとの相性は最悪と言え、フィニッシュ火力の大部分をこのカードに依存しているシェドはかなり苦しい戦いを強いられることになりますわ。
「逆転シヴァによる不可避の12点フィニッシュ」はこのデッキを使用するにあたって大きな魅力だったので、このコンセプトをかなりのハイレベルで砕かれたシェドを使うのはわたくしとしてはノーサンキューでした。
以上の理由からコントロールシェドを諦めたわたくしが次に辿り着いたデッキはこちら、
ミッドレンジラピスですわ。*2
シェドの逆張りで「《星命の巫女 タマ》より軽く《星命の巫女 タマ》を処理できる《獅子王の記憶》と《臆病機兵 クロベエ》+《大盾戦士 ゴッツ》パッケージ」「とにかく2帯が安定する」「GCを引いて、1ターンをジル着地でパスして、ソウルを貯めて、と面倒な下準備の必要なく《風の勇者 ナミ》《覇王 白獅子》を引きさえすればいつでもゲームを終わらせられる」このデッキは、今度こそわたくしの理想を叶えた最強のデッキ……というわけではありませんでした。
見ての通り《星命の巫女 タマ》に弱すぎるのです。
わたくしもそれをわかっていたので全力で《獅子王の記憶》+《星命の巫女 タマ》へアタックの動きを成立させるため2帯を増やしまくったのですが、そもそも相手が2→《星命の巫女 タマ》とテンポよく動いてくると成立しないムーブだったのでかなり厳しいものがありましたわ。*3
また、2帯を増やした悪影響として長期戦に非常に弱くなり、ゴミで埋まった手札を切ったら《覇王 白獅子》だけが残って《アロス・ピルルク BRAIN》、《覇王 白獅子》を引いても盤面が存在せずライフも削れていないためリーサルまで届かない、盤面維持用のクロゴッツパッケージが《星命の巫女 タマ》とメタ範囲だだ被りだったためありとあらゆるデッキから迫害を受ける、と、全てが裏目に回った散々なデッキでしたわ。
あまりに勝てない結果、一時期はカード屋でウィクロスを見る度に発狂するほど追い詰められ、ハースストーンに逃げるかいやでもせっかくサ終直前だしなと考えていたところである天啓が降ってきましたわ。
「コントロールシェドの欠点はあくまでシェドのカードプールに起因するものであり、《星命の巫女 タマ》対策を分厚く取って《アロス・ピルルク BRAIN》をうまく使うコンセプト自体は破綻していない」
「ミッドレンジラピスの欠点は2帯を厚く取ってテンポよくカードを投げていくことを意識したミッドレンジ的な動きが原因であり、《覇王 白獅子》でゲームを手早く終わらせる動きや《獅子王の記憶》《風の勇者 ナミ》といったパワーカードの存在そのものは否定されていない」
「これほど悩むということは《星命の巫女 タマ》の処理はどのデッキも悩むはずであり、使う側に回った方が明らかに得」
「すなわち、ラピスで《星命の巫女 タマ》《アロス・ピルルク BRAIN》を両方積んだコントロールデッキができればそれが環境最強のデッキではないか?」
この気付きを得たわたくしはさっそくデッキを組み始めましたわ。普段とは異なり1帯を厚く、代わりに2帯をギリギリまで削り、《アロス・ピルルク BRAIN》を含む重量級カードでデッキを埋めた後ろ寄りなラピス。このコンセプトを成立させるために必要な対《星命の巫女 タマ》カードが持つ要件は以下の通りでしたわ。
- 《星命の巫女 タマ》より軽く、最低でも同メモリー帯のカード
- 2タマに対抗するため、ただ処理するだけでなく処理した後も何らかのプレッシャーを盤面に残せるカード
- ラピス自体には《アロス・ピルルク BRAIN》とのシナジーはそこまでないので、この枠で《アロス・ピルルク BRAIN》を積む理由ができるとありがたい
- できれば自分の《星命の巫女 タマ》ともシナジーしていると文句なし
かなりわがままなこの条件、しかし正しいコンセプトには正しい結果がついてくるのでしょう。あれほどミッドレンジラピスに頭を捻っていた時とは大違い、これら全てを満たせるカードはすぐに見つかりましたわ。
《宵の露 アサギリ》。
最新弾のカードを殺すのは種族推しのラピスからは逆行した、種族なしで最古のカードでした。
こうして完成したコントロールラピスは(マッチングさえすれば)かなり安定した成績を残しており、(マッチングさえすれば)間違いなくTier1のデッキとして環境に爪痕を残せたと自負していますわ。
はい。 pic.twitter.com/tadEZ5bAft
— 浴洲ネプトですわ! (@Abyss_Nept) 2018年8月13日
2.各種採用カードの紹介
かなり間が空きましたので改めてデッキレシピの紹介を。
この項ではメモリー帯ごとに各カードの解説を行っていきますわ。
1メモリー帯
このメモリーのカードに求められることは「《獅子王の記憶》のエサ」「枚数を減らした2帯の代替ムーブ」の2つですわ。また、できれば《星命の巫女 タマ》でサーチした時に強くなるよう後半でも役立てるようなカードを選びましたの。
《餓狼》
4枚目の《獅子王の記憶》ですわ。2枚以上積めるパワーではありませんが《星命の巫女 タマ》と横並びしたユニットに相対した時の火力は《獅子王の記憶》を上回りますの。稀に役に立つ割に終盤引いても腐らないカードといった感じでピンなら非常に小気味いい1枚でしたわよ。
《先駆の豚王》
2帯のスタッツであることから《星命の巫女 タマ》でサーチした時の火力がグンバツな1枚ですわ。3枚積むと先攻2ターン目のムーブを《先駆の豚王》で代替しなければならない場面が多くなり動きがかなり息苦しかったのと、種族:獣はこのデッキでダントツに枚数が多く、よく種族かぶりを起こしたので2枚に抑えていますわ。
《風村の白鷹 トビー》
2帯の代替になる1帯、ということで真っ先に思いついた1枚ですわ。ピンでないと機能しないカードなので当然ピン。3はないとして《先駆の豚王》1:《風村の白鷹 トビー》2も一応試したのですが、《風村の白鷹 トビー》が《風村の白鷹 トビー》を持ってきた時の絶望が半端でないこと、《星命の巫女 タマ》のサーチ先として圧倒的に弱かったことから結局1に落ち着きましたわ。
《総裁隠密 シュリ》
優秀な効果に加え種族持ちと、おそらくラピスの1帯最強のユニットですわ。重なって強いこともあり《星命の巫女 タマ》を使うタイプのデッキならノータイムで3枚でしょう。
《獅子王の記憶》
《総裁隠密 シュリ》がユニット最強ならこちらはスペル最強の1枚ですわ。その除去能力とコストパフォーマンスはラピスどころか全国家でも最強クラスの1枚と言えますわ。コントロールというコンセプトを取ったならこちらもノータイ3でいいでしょう。
2メモリー帯
《宵の露 アサギリ》との兼ね合いやシェドで語ったプレッシャー力問題との兼ね合いから序盤のユニットはある程度数を取りたかったのですが、《アロス・ピルルク BRAIN》で引いてさほど強くないことが気になったため、このメモリー帯は限りなく枚数を減らして、《星命の巫女 タマ》で圧縮の効く1帯で動きを代替できるようにしていますわ。そのため枚数は少なく、構成も非常にシンプルなものとなっていますの。
枚数の基準としてタマ対策をキープすると仮定した場合、先攻ならマリガン込みで5枚山を見られて2ターン目までのドロー込みで7枚、その中に1枚2帯で出すカードがあればいいため7/40で2帯の必要枚数は約6枚、スタッツが高い《先駆の豚王》と《風村の小熊娘 カエデ》をサーチできる《風村の白鷹 トビー》の2種3枚は2帯とカウントしてよく《千両役者 ウリノスケ》は先攻の2帯として不安なためノーカウント、つまりこの1帯配分なら《千両役者 ウリノスケ》抜きで3枚が必要な計算になり、このデッキはその配分に従っていますの。
《千両役者 ウリノスケ》
《終焉の炎 アン》に縛られた環境ではあまりに貧弱なカードだったため最初は入っていなかったのですが、ユニットを処理しながらユニットを残せる点で《宵の露 アサギリ》との相性の良さ、2タマでリーサル点をサーチできることのありがたさなどの理由から2枚だけ積んでいますわ。1枚ではタマからのサーチ率が低く、3枚積むと流石にカードパワーの低さが目立ち始めるのでこの枚数が正解だと思いますの。
《風村の小熊娘 カエデ》
《風村の白鷹 トビー》の相方ですわ。ただ種族が有用なだけの2/2/2バニラというわけではなく、スペルや《終焉の炎 アン》で簡単に処理されない2/2は《宵の露 アサギリ》と相性がよく、3枚積む必要がありながら《次元の番人 Wショットちゃん》との種族散らしを行わないだけの魅力がありますわ。
3メモリー帯
ラピスは3帯の薄さが非常に目立つデッキ、かつ《星命の巫女 タマ》が常に3帯のソリューションであるため、最低限必要なカード以外は取っていませんわ。
《宵の露 アサギリ》
このデッキが導き出した環境への解答ですわ。
- ユニットさえ残っていれば修正値込みで絶対に《星命の巫女 タマ》を倒せる除去性能
- 《星命の巫女 タマ》のパワーが1でありブースト値とでダメージを相殺できるため接死*4持ちを場に残せ、次のターン以降のプレッシャーを維持できる
- 序盤を制するカードでありながらいわゆる「アサギリオルト」の弾として後半に《アロス・ピルルク BRAIN》で引き込んでも強い
- 自分の《星命の巫女 タマ》に乗せれば高いHPと2回攻撃が噛み合って接死を最大限活かせる
と、先程挙げた要件を完璧に満たしたカードとなっていますわ。3ターン目にしっかり握ること、《双警機 アルト=オルト》と重ねて引くのが重要なことから3枚の採用に踏み切っていますわ。
《星命の巫女 タマ》
先程からずっと悩まされていたカードであり、即ちこのデッキに置いても屈指のパワーカードですわ。ラピスの《星命の巫女 タマ》は小型をサーチして横並びさせるというコンセプトと2回攻撃がRAGEやブーストとシナジーし、《トータル・チェンジング》を食らって残った肉もRAGEの餌として活用でき、何より種族が珍しいと、他のデッキよりもこのパワーカードを強く使えている自信がありますわ。
カードパワーが高いこともさることながら、ルリグはその性質上2枚目が非常に強いため重ね引きするため3枚積んでいますわ。
4メモリー帯
ここからはマナカーブを考えるというより必要なカードを必要なだけ積むという感じになりますわ。
《双警機 アルト=オルト》
《宵の露 アサギリ》の相方ですわ。ただコンボパーツに使うだけになりがちだった従来のラピスと違い1点ダメージを全体に撒くという点で《星命の巫女 タマ》と一貫性があり、この点でもこのデッキに十分入り得るカードですわ。一回重ねればほぼ勝ちのコンボパーツなので強気に3枚取っていますの。
《永遠の蜃気楼 ペリドット》
とりあえず出せば勝てるので取っていますわ。よっぽどのことがない限り積まないのはハンデ。たまに素数にも入ってる。
《新米兵士 ナミ》
《風の勇者 ナミ》の餌にしてマグナやラピスに対する一発逆転のキラーカード、かつバニラ基準を超えた4/3/5スタッツを持つ、手広く丸い1枚ですわ。
引いたらバニラのカードにあまり言うことがないので餌繋がりで《風の民のナミ》が入っていない理由の話をしますと、《風村の白鷹 トビー》でトップに埋まると吐くからですわ。
5メモリー帯
ラピスの基本戦略として《覇王 白獅子》に辿り着ける7メモリー以降は2ドローを選ぶため、2メモリー以下のカードと合わせて無駄なく手札を2枚使える5メモリーのカードは非常に重要度が高く、このデッキでも最も分厚く取った部分ですわ。
《神秘の鹿》
5/3/4ガーディアンがWoB基準だとまあまあ強いのに加え相手のガーディアンや遅れてきた《星命の巫女 タマ》を無力化できること、何より《闇影信仰 ガイナー》や《堕天妃の急襲》で付与された攻撃不可を剥がして不意のリーサル点を増やせるのがかなり重要な、ラピスの重量級カードの中でもトップクラスに小回りが利く1枚ですわ。
わたくしの感覚として役割の似た《神秘の鹿》と《闇影信仰 ガイナー》はゲーム中に2枚は打ちたいですが3回打つかどうかは微妙、4枚はまず打たないため枚数は合計で4枚、比率としてはガーディアンが少ないこのデッキだと《永遠の蜃気楼 ペリドット》にやや弱いため《神秘の鹿》を多く、スタッツが頼りなく使用制限のある《闇影信仰 ガイナー》を少なくしたいため3:1が適正かな、と思っていますわ。
《邪怨を纏う豪虎》
リーサル、ガーディアン、盤面処理からなんでもござれの万能な1枚ですわ。個人的にラピスのGCの中でも《覇王 白獅子》、《風の勇者 ナミ》、付属品の《新米兵士 ナミ》に次ぐレベルの優先度を持っていると考えていますわ。
《闇影信仰 ガイナー》
なんか《神秘の鹿》でだいたいの話を済ませちゃった気がしますわ。
先程《神秘の鹿》と役割が似ていると言ったため《神秘の鹿》より優った点を挙げると
- ユニットそのものを消せるため単純に高スタッツユニットやガーディアンに強い
- 付随して、効果持ちのユニットやガーディアンを奪った時のプレッシャー
- 《神秘の鹿》と組み合わせて不意のリーサルが可能
などが挙げられますわ。種族がないこと、使いすぎると場を圧迫することから場に並べば並ぶほど不利になりうる1枚なので枚数は積みたくありませんが、それでもGC感覚で1枚取る価値は十分にあると思いますわ。
《アロス・ピルルク BRAIN》
先程から話に挙げていたB3を定義するカードにしてこのデッキのコンセプトカードですわ。採用理由もろもろは前項参照。投げられるタイミング、投げた後のゲームの動き方から《シャーク・トレード》に使用感覚はかなり近いですわね。あれほど手札があぶれる心配がなく、あちらと違って相手の手札を減らせるためラピスのドローカードとして見ても非常に上質な1枚ですわ。OTK手段を持ったビートダウン型デッキのドローは強いと相場が決まっていますので、生き物の形をしてハンデスまでできるこのカードが弱い理屈はありませんわね。
こちらも《星命の巫女 タマ》と同じくルリグなので3枚投入していますわ。
《風の勇者 ナミ》
ウルトラスーパーパワーカードですわ。テキストの全てが強く、たぶんラピスを組む上でこれを抜く選択肢は出ませんわ。《星命の巫女 タマ》をバフすると強いですわよ(あたりまえ体操)。
《ボディ・スナッチャー》
別に《闇影信仰 ガイナー》の2枚目でいいのですが《THE END》に勝てないので心の安心として1枚だけ積んでいますわ。
6メモリー以上
《鬼神演舞 八重ノ風》
突破して、クイックで、RAGE乗せて、リーサル。起動まで考えるとコストが非常に重く、最終的なボディも脆いため何かと極端にシナジーするカードではありませんが、重量級の枠が余れば積んで損なしと言える非常に丸い1枚ですわ。
《覇王 白獅子》
みんな大好きリーサルですわ。決め手段としてRAGEでライフを取ることを選んだラピスがこれを積まない理由はまずないでしょう。このカードのオーバーヒートをリーサル前に出すタイミングを見極められたらラピス中級者ですわよ。
《覇獣 獅子王》
実はこのデッキにはかつて返し手段として《究極魔神 ハンニャEX》と《鬼神重装 八重》のパッケージが入っていたのですが、《究極魔神 ハンニャEX》が手札であぶれている間にハンニャ八重を決めないと死ぬところまで盤面が追い詰められるのはマッチポンプなのではないか、あとあまりに《双警機 アルト=オルト》が飛びすぎて腹が立ったので今では抜かれていますわ。
で、余った枠に何を積むか考えた結果、上手いこと行けば返し札として非常に役に立つ《覇獣 獅子王》に辿りつきましたの。正直趣味枠に近いですが決して弱いカードではないと思いますわよ。
《予言システム プリノウズ改》
これくらい時間を稼げるデッキならこちらも《永遠の蜃気楼 ペリドット》と同じくほぼ必須と言えるパワーカードですわ。《星命の巫女 タマ》が文化学、《アロス・ピルルク BRAIN》が化学、このカード自身が医学で学問はコンプリートしていますわ。
3.不採用カードの紹介
個人的にレシピ紹介記事で一番大切なのは採用理由よりも不採用理由だと思っていますわ。入っているカードが強いのは見ればわかりますし、《永遠の蜃気楼 ペリドット》《覇王 白獅子》のように採用理由がトートロジーに終始する場合も多いですの。
それよりもレシピを見ただけではわからない「入りうるカードがなぜ入らなかったのか」「カードAはなぜカードBより優先されなかったのか」という話を詰めていった方が身になるとわたくしは考えていますわ。
とはいえ「《ミッドナイト・ジャガー》はゴミだから入らない」「《狡賢財閥 アルノー》はデッキが違うので入らない」といった話を延々続けるわけにもいかないので、今回は「調整中に抜けたカード」のみに焦点を当てて話をしていくことにしますわ。もちろん「なぜこのカードが入ってないの?」といった質問があれば追記いたしますわよ。
《臆病機兵 クロベエ》
《大盾戦士 ゴッツ》
クロゴッツパッケージですわね。先程も言ったように《星命の巫女 タマ》とメタが完全にかぶるのが4割、《究極魔神 ハンニャEX》が入っていた時に入れたくなくてそのままなのが6割ですわ。枠もありませんしこのコンセプトなら別に入れなくても平気だと思っていますの。
《ライオネル・フラッシュ》
これはもう単純明快、サーチ先が全部弱いからですわね。軽量級カードを4ターン目以降に出して強いのは軽量級が複数枚手札にある時なので、非常に重く作られているこのデッキでサーチした軽量級が活かせる場面はとても少ないと考え採用しませんでしたわ。
《追憶の聖戦士 シルヴィア》
このカードが強いのは序盤にしっかり横並びを成立させた時ですが、このデッキでそれが決まる時は《星命の巫女 タマ》が決まった時なので要するに「勝っている時にだけ強いカード」だと感じましたわ。文化学であるメリットもこのデッキの場合薄いですし、種族が珍しい4/2/4ガーディアンに過ぎない場面も多かったので自然とデッキから抜けていきましたわ。
《究極魔神 ハンニャEX》
《鬼神重装 八重》
先程話したとおり、ピンチを返すために手札にとっておいた結果ピンチになっている気がしたので、強力なパッケージであることは間違いないにしても最終的にはデッキから外れましたわ。
4.各国家との相性
ここでは実際に各デッキと相対した時にどんなゲームになるか、どういった風にゲームメイクをするかを仮想敵としてのデッキと併せて紹介していきますの。*5
各デッキに対する相性評価は以下にまとめますが、
- 有利:明らかにデッキパワーに差があるか、露骨に有利になれるカードがある
- 微有利:特段イージーゲームになるわけではないが構築上マウントは取れる
- 五分:お互いに構築で噛み合いが発生する部分はなく、完全に腕前の問題
- 微不利:形の問題で全体的に不利な感じになっているが、プレイ次第で勝ちの目は十分に存在する
- 不利:どうしても叩きつけられただけでゲームが終了するキラーカードが存在する、Tier1に対してこれがつくならそんなデッキは握らない方がいい
といった基準で読んでくださると幸いですの。
ラピス
ミッドレンジラピス:微有利
アサギリオルトや《アロス・ピルルク BRAIN》がなく2帯が厚いタイプのラピスには基本有利ですわ。《覇王 白獅子》をゲームプランに据えている以上ゲームが長引くのは間違いなく、そうなってくると軽いカードが少なく圧縮能力に優れ、何より《アロス・ピルルク BRAIN》を持つこちらが有利になりますの。
アグロラピス:微不利
2/2/2が少なく1帯を取るのにやや苦労することから序盤は不利ですが、耐えきれば《双警機 アルト=オルト》の存在から中盤以降はこちらが有利に立ち回れますの。ラピスミラーは大概そうですが、特にアグロ戦は「どちらが多く《獅子王の記憶》を引くか」勝負の面が大きいですわね。
タオシン
ミッドレンジタオシン:有利
全体的にカードパワーで優っていることや、向こうの基本となる《夜魂妖女 ユウユウ》でのビートダウンに対して《総裁隠密 シュリ》《神秘の鹿》という二通りの解法を持っているのが大きく総合して有利と言えますわ。《天を貫く王龍》対策で行ける時に8メモリーに行っておくのをお忘れなく。
アグロタオシン:微有利
アグロラピスに比べて力点となるターンが遅く、1帯にHP1が多いことから基本的には有利ですが、《狂葬者 アパッチ》に対してアプローチできる札が少ないことだけは注意ですわ。
ディスターンタオシン:有利
これはもう《帝国闇鎧 ゴクザーン》と《星命の巫女 タマ》の相性差ですわ。普通にやってれば普通に負けないと思いますの。
シェド
コントロールシェド:五分
お互いに力点や勝利に対するビジョンが近く《アロス・ピルルク BRAIN》の投げ合いになることから、どちらの《アロス・ピルルク BRAIN》がより懐くかの勝負になりますわ。右手を光らせましょう。
バキシェド:不利
わたくしこれ嫌いなので割り切りましたわ。力点が早すぎて《獅子王の記憶》いっぱい引かない限りたぶん無理ですの。
マグナ
ワンスアポン入ってるやつ:不利
なんでハースストーンクローンでマッドネスの心配をしなければいけませんの!? 意味わかりませんわよ!
その他:だいたい有利
デッキパワーが違うので《彷徨の艶女 キジモナカズバ》に《アロス・ピルルク BRAIN》を当ててしまった、みたいなうっかりがなければまず勝てますわ。
E.G.ユニオン
ビートダウン型:有利
ウイルス、素数などのまっすぐ来てまっすぐ殴ってくる型には基本有利ですわ。《継続の炎 エミリー》を打ってくれればライフは10になるのでリーサルを決めやすいですし、アサギリオルトの存在からビートダウンには有利を取れますの。しっかり《神秘の鹿》を維持することさえ忘れなければだいたい勝てますわ。
OTK型:微不利
キアニー、エモΣなどの特殊なコンボデッキですわね。こういったデッキはキーパーツを《アロス・ピルルク BRAIN》で落とせれば勝ちですが、そうでないなら構えるタイプであるこちらが基本的に不利ですわ。
ミラクル:微不利
《プラネット・メタモール》で育てられる前にどこまで《魔弾にうつろうエデン》に《獅子王の記憶》《千両役者 ウリノスケ》を当てられるかのゲームですわ。基本的に序盤のドロー力がある向こう有利ですの。
4.むすびに
サ終秒読みのゲームでレシピ紹介をやるロックンロール。
今後もこんな感じで気が向いたゲームのデッキレシピやお得情報、なんか怪文書を書き連ねていくと思うのでお付き合いの程よろしくお願いいたしますわ。
*1:正確に言えば3~5メモリーですが、1枚目を出さずに2枚目を出す試合は存在しないこと、最も処理しづらいタイミングが3ターン目の行ってこいタマであることから以下3メモリーと表記しますわ
*2:正確にはソルジャーズではなく普通のミッドレンジでしたが、今手元にあるラピスで当時の構築理念に一番近いのがこのデッキでした
*3:このムーブのために2帯ではなく1帯を増やし《星命の巫女 タマ》を積んだタイプ、いわゆるアグロラピスはコントロールシェドを使っていた時にものすごく楽に勝てたためあまり握りたいアーキタイプではありませんでしたわ
*4:WoBでキーワード化されていない能力なのでMtGから引用しましたが、「このユニットがダメージを与えたユニットを破壊する」効果のことですわ
*5:わたくしの基準、感性、資産で組んだデッキであり、今回のために即興で組んだデッキもあることから完璧な構築ではないことをご容赦くださいませ